写真整理で思い出す(2016年6月) 写真整理をしていて「なぜ、これを撮ったのだろう?」というのがたくさん出てきた。捨ててしまうのも悲しいので、ここにまとめて載せる。 2010年に山口県防府市で撮った。 写真には題目がある。題目を付けて記憶の付箋としている。 その題目が「それは難しい」 8年前の嘆きを見、なるほどと思った。 2009年に福岡県の黒木町で撮った。 写真の題目が「ザ・ムダ」 今見てもそう思えた。 2012年に和歌山県の高野山宿坊で撮った。 写真の題目が「おい親父、寝るのかよ」 空海の聖地で空海を勉強しようと宿坊にあった空海のマンガを読むも瞬殺で寝た。 2013年に長野県飯田市の元善光寺で撮った。 写真の題目が「満期の喜び」 満期を迎えて大はしゃぎの老夫婦が見えた。 2013年に福井県の永平寺で撮った。 写真の題目が「僕も福山です」 先祖は代々ハゲなので本家の仏壇かと思った。 2014年に大分県の臼杵城で撮った。 写真の題目が「ずっと見てた」 家に帰ってまで見ようとしていた自分が恥ずかしい。史跡に対する冒涜だと思った。 2014年に愛媛県の八幡浜市で撮った。 写真の題目が「ありえぬ並びで笑った」 別にありえぬ事ではないと思うが旅先では腹を抱えて笑った。旅先の心は日常では量れない証左。 2015年に熊本市役所最上階から撮った。 写真の題目が「3時間見てた」 ダイエーデパートが重機4台で破壊されていく様を飽くことなく眺めた。ドナドナを歌いつつ中内時代の終わりを思った。 2015年に北九州市で撮った。 写真の題目が「コラボの見方が分からない」 小倉城のバックにリバーウォークというアート建築。村田英雄のバックにエグザイルがいるみたいで頭がこんがらがった。 以下、今年撮った写真。 地元南阿蘇のアスペクタで民謡歌手を撮った。 写真の題目が「ジュディオング」 袖下がペローンとしてるドレスを見ると何でもかんでもジュディオングと思ってしまう自分がいた。 隣の高森町で突っ込みつつ写真を撮った。 写真の題目は「エリーゼ違うんかい!」 店員に聞いたら結構売れてるらしい。目の前のおばちゃんが「エリーゼ買っとこ」ひとりごちつつ手に取った。ま、いいやと思った。 ちなみに私は歓楽街の看板が大好き。女遊びやそういう遊びは嫌いだけれど、看板に関してのみ、無味無臭のロードサイドや官公庁、ビジネス街より絶対そっちが楽しい。 例えばコレ。 震災直後、愛知で撮った。 愛知で最初に気になったのが上の看板だった。写真が撮れなかったので現地の人に撮ってもらい、メールで送ってもらった。 更に愛知をゆく。 名古屋の歓楽街・錦三丁目で歩き疲れ、ふと空を見た。 「名古屋トップクラスの女の子と究極マットプレイが楽しめます」 究極のマットプレイってなんだろう。 「究極」 いい言葉、いい響きだと思った。 更に錦を歩いた。 「入場見学完全無料」と書かれた風俗店の看板を発見した。 本当に見学しても無料なのか気になった。 知らない名古屋名物も発見した。 名古屋なのに台湾ラーメン。混乱しながら店に入ったら四川ラーメンをすすめられた。更に混乱した。 名古屋といえば熱田神宮。 錦から歩いて行った。遠かった。 名古屋は各駅に大小様々な歓楽街があると地元の人に聞いた。さすがに神宮前はなかろうと思っていたら商店街スタイルの歓楽街があった。 じっくり見て歩いた。 歓楽街なのに神社っぽさを意識しているところが最高に良かった。 昼からワンカップを呑んでいる地元のおっさんがいた。この人にコンビニで酒をおごって地元の遊び方を聞いた。 まずは熱田神宮に参るそう。 境内は広いので本宮まで行ったら疲れるから、その辺(駅前)でポヤッと参るそう。 次に熱田銘菓「きよめ餅」を頂くそう。ワンカップおじさんと一緒に「きよめ餅」を食べた。普通の大福餅に「きよめ」という焼印が押されていた。江戸中期の創業らしく、歴史を噛み締め頂くものかと思いきや、おっさんワンカップで流し込んだ。 「わし、甘いもの苦手」 これは儀式らしい。これを食って身を清め先に進むそう。 きよめ餅屋の角を曲がったら表と裏に遊ぶ場所があった。 「このへんで遊ぶがや」 ワンカップおじさんはそれだけ言い残し去ってった。 「甘い誘惑」の隣に「恋愛女学院」があった。昼ゆえに誰からも誘惑されなかった。女学院の正門も閉まっていた。入学できなかった。 次回、名古屋に行った際は神宮前で呑もうと思った。 次は沖縄。 梅雨真っ只中の沖縄で昼の歓楽街を歩いた。 例えば名護。 名護の歓楽街は懐メロ酒場みたいなところがやたら多かった。戯れに一つ覗いてみたら中高年8名が肩を組んで青い山脈を歌っていた。 レベルが高過ぎてムリだと思った。 正直過ぎる店もあった。 「ハニートラップ」 トラップされたいと思ってノックしたけど休みだった。 その他いろいろ昭和の匂いが強かった。 「チャンス」「ルビー」「女帝」 ザッと見回し、僕はこの街が好きだと思った。 ちなみに名護の街では日暮れを待って呑み歩いた。この話は生きる醍醐味118話で書くのでここでは触れない。 浦添の昼も歩いた。 浸透する文明の魔力で全てのモノが均されつつある昨今、沖縄の泡盛愛はホント感心した。沖縄にはウイスキーもブランデーもシャンパンも日本酒もいらないと思った。 泡盛がピンからキリにランク分けされていて、酔った男がちゃんと背伸びできるようになっていた。 「沖縄の見栄っ張りは何を頼みます?」 スナックのチーママに聞いた。 流行りは久米島の久米仙だそう。 「色でランク分けされてるよ!ブラックいっちゃう?」 「いっちゃうか?」 「いっちゃえ!いっちゃえ!」 いっちゃったものの、サッパリ味が分からなかった。 これ以上はやめとこう。 写真整理の度にこういうものを書きたいと思った。 |
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