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第160話 酒田飛島出張報告3(2024年12月)

[三日目]三日目は雨だった。雨なのに9時集合、現地へ行って昨日の話のつづき、連絡船の歓迎システム、その現地調査をやると言う。「本気か?」昨日も思ったけど今朝も思った。どうやら本気のようだ。全員車に乗せられた。 で、島の中枢とびしまマリンプラ...
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第159話 酒田飛島出張報告2(2024年9月)

[二日目] 飛島へは連絡船で渡る。8時半乗船場集合、白髪のおじさんがいるからチケットを貰ってくれと言われており早速それらしい人を見付けた。が、その前に話しかけてきた青年がいた。「熊本の方ですよね」仙台から我々を誘ってくれたS教授と学生2人が...
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第158話 酒田飛島出張報告1(2024年9月)

[前段] 4月に仙台在住のSさんという人が突然来た。職業は高専の教授だそうでプライベートの旅行中だそう。熱量あふるる早口で5月に山形県の離島でゴミ拾いをすると言われる。「来ませんか?」初めてだ。知らない人から知らない場所のゴミ拾いに誘われた...
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第156話 酒場で聞いた夫婦の話(2023年8月) 5KB NEW!

嫁子供が帰省して僕一人の生活が2週間も続いた。暗い家に帰るのは嫌なので人の家に泊まったり呑み屋に泊めてもらったり、努めて家に帰らぬようにしてたら一人の中年につかまった。行き付けの呑み屋でたまに会う人で歳は僕より少し上、50歳くらいか。大企業...
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第91話 痛風座談会(2013年12月) 7KB ☆

健康診断の結果が来なかった。嫁には来ていた。村に尋ねたら「指導したいので取りに来い」と言う。指導の内容は分かっていた。「太り過ぎ!呑むな!食うな!運動しろ!」過去に指導を受けた事もあり凡そ察しが付いた。嫁に行ってもらった。が、嫁は手ぶらで帰...
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第79話 待てない男(2012年10月) 7KB

出先であった。時計を見ると16時30分、もう少しでネオンに灯が点く頃だろう。(今日は家に帰るのやめ! 呑んで帰ろう!)思うや最初に電話したのはSというミカン農家で高専時代の級友であった。彼は農家だから勤め人のように「明日がある」など定型文を...
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第60話 ふらりゆく(2010年3月) 14KB

3月12日、ふと酒が呑みたくなった。手元の時計を見ると13時、外に出ると暖かな春の風が吹いていた。昨日は大雪で一時は靴が埋まるほど積もった阿蘇地域であるが、庭に白いものは見当たらなかった。春の陽気が溶かしてしまったらしい。隣町に住む友人の勤...
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第52話 飲み会について(2009年7月) 6KB

この不景気、飲み会が減ってしまい本気で困っている。むろん収入減にも困っているが、そういうものは「皆同じ」と思っていればどうにかなる。飲み会はどうにもならない。心が悶えてしょうがない。たまに役人が来る。好きな音楽を流し、普段着でモノづくりをし...
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第51話 ボリの温情(2009年6月) 9KB

だいぶ前の話だが、北九州の黒埼という場所でぼられた事がある。「ぼる」という言葉を辞書で調べてみると、「法外な代価や賃銭を要求する、不当な利益をむさぼる」とあり、それには該当せぬが、確かにぼられた。ぼられようとした。ぼられた知人や友人には事欠...
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第37話 出動(2008年9月)7KB

8月25日午前8時半、村内放送にて消防団の出動要請があった。南阿蘇村へ住んで初めての出動要請であったが、私はフライス盤を前に黙々と金属加工をしており、放送があっているのは分かったが、それが出動要請とは全く気付かなかった。私に告げるべき嫁は家...