仕事

仕事

第144話 行商のまねごと(2019年4月) 5KB

何度も書くが僕の憧れは寅さん(男はつらいよ)だ。糸の切れたタコみたい(おいちゃんの言葉)にふらふらふらふら生きてみたい。が、僕は寅さんと違って独身じゃないし、子供は4人もいるし、作業場ないと今の仕事も成り立たない。ないない尽くしで憧れは遠く...
仕事

第140話 大袈裟な呼び鈴(2018年10月) 5KB

僕には男の子がいない。だから少年が来ると異常にかまい、その反応をジッと見てしまう。彼らは何が好きなのか。彼らのツボはどこなのか。そこに男の原点があると思うし、そこを目指して突っ走れば男という少し足りない生きものの本質が見える気がする。仕事柄...
仕事

第137話 愛搬送マシーン(2018年6月) 10KB

高専の先輩にねじり板金屋さんがいる。鉄の板をぞうきん絞るみたいに捻り、高精度なネジを作る。何に使われているのかというと太陽光発電の基礎で、大地にねじ込んで使う。 [使い方を間違えた捻り板金] これが売れに売れたそう。が、一気に売れるモノはス...
仕事

第127話 信じられない寂しがり(2017年3月) 13KB

自分の適性を知る事が人生を有意義に過ごす要諦だと思っている。従って自分に対する研究はそれなりにやったつもりでいるし、そうやって今を作った自負もある。が、寂しがりという点において少々認識が甘かった。分かっちゃいたが、信じられない結果を叩き付け...
仕事

第117話 200個作らんといかん(2016年5月)17KB

東京のインターネットの人たちが熊本地震に関するチャリティーイベントをやるらしく、小声で相談された。「チャリティーで配るモノを作って欲しいんよ」「何を作ればいいんですか?」「粗品」常に粗末な品を作っているので自分で言うのも何だが粗品の製作には...
仕事

第115話 僕の仕事(2016年3月) 17KB ☆

僕の仕事はモノづくり。他と何が違うって、一人でやってる事と、「こんな感じに作って」ザッとした依頼で着手する。それがセールスポイント。大抵のモノづくり屋は仕様書がないと請けない。仕様書は責任の分担書。「それがないとズルズルいって潰れるよ」モノ...
仕事

第113話 自営業者と経営者(2016年1月) 7KB

辞書を見て「自営」の項を引いた。[自力で経営する事、自立して生計を営む事]後者は分かるけど前者は何だか違う気がした。「経営」という言葉に対する違和感だった。去年は多くの経営者と会った。「経営者の会」みたいな勉強会(単なる呑み会)に入った事で...
仕事

第100話 月賦で頼む!追徴課税!(2014年9月) 11KB ☆

恥ずかしい話だが税務の事がさっぱり分からず今に至っている。阿蘇カラクリ研究所は2007年10月に創業した。その際、サルでも分かる青色申告みたいな超初心者向けのマニュアル本を買った。読んだ。さっぱり分からなかった。身近な人に教えを乞うべく実父...
仕事

第88話 メイカーフェアとアクセス数(2013年8月) 20KB

メイカーフェアというものに誘われた。今もって詳細を理解してないが作る人のお祭らしく世界的なイベントらしい。お祭が好きである。展示会が好きで色んなところに出展した。例えば「機械要素技術展」これは加工品や機械部品の業者がズラリと並ぶ。例えば「モ...
仕事

第81話 メディアと熱と開放日(2012年12月) 6KB

年四回「開放日」を設けている。去年までは「ロボットお披露目会」と呼んでいたが、おみくじロボを壊した事で「ロボット」の文言を外し、ついでに「お披露目」という派手な文言も改めた。始まりは四年前。作ったモノを人に見せたいという至極簡単な理由から「...
仕事

第62話 雨とモノづくり(2010年6月) 8KB

昨年はモノづくりが暇であった。暇だから色んな事にチャレンジしたが今年はどうもいけない。モノづくりが忙しい。年明けから工場用設備の依頼が来始め、春先には狭い作業場が組立待ちの部材でいっぱいになった。そもそもアソカラの作業場は狭い。6坪しかなく...
仕事

第61話 新入社員(2010年5月) 8KB

阿蘇カラクリ研究所に新入社員が入った。嫁である。「子育て」という印籠を持ち、日々奥様会に忙しかった嫁であるが、三女が保育園に行き始めた事で日中の印籠を失ってしまった。それで観念したらしい。4月12日。娘三人を送り出し、掃除、洗濯を終えた嫁が...
仕事

第49話 暇人の家(2009年4月) 12KB

モノづくりが暇である。暇だから営業をし、色々やった。やればやるほど赤字になった。嘘みたいに価格が安い。その代わり加工屋さんの見積りも安い。以前の半額である。みんな仕事がなく、少ない仕事を奪い合っている。全ての物価が半額になるか、よほど身にな...
仕事

第44話 初春の遠望(2009年1月)6KB

昨年の秋だったか、(怠け過ぎている…)その事を思った。店舗を持たぬ自営業は自由業であるため際限なく気ままであり、堕ちようと思えばどこまでも堕ちる。あるギャンブルの帰り、私は白川の流れに沿ってぼんやり歩いていた。歩きながら我が身の自由を誇らし...
仕事

第43話 節約の話(2008年12月)10KB

ひどい景気になってきた。うちは景気の上下に関わらず常時低空飛行であるため影響は軽微であるが、それにしても近辺の慌てっぷりを見ていると気が滅入ってくる。何よりもマスコミが悪い。「悪い、悪い」と日夜連呼するため、悪くなくとも悪いような気になって...
仕事

第40話 古巣へゆく(2008年10月)22KB

私の社会人生活は北九州から始まっている。学校を二十歳で卒業した後、安川電機という、まぁまぁ有名な企業に入った。安川電機を選んだ理由は実父にある。実父の社会人生活はブリヂストンの熊本工場から始まっているが、数年働いたところで関東転勤を命じられ...
仕事

第19話 年始に考えるべき事(2008年2月) 7KB

ぼんやりと事業計画について考えている。私は「管理」という言葉は嫌いだが、「計画」は好きである。どれくらい好きかというと、豆腐一つを買いに行くにしても緻密なタイムスケジュールを立てる。それくらい好きである。計画というものは小説を書く上での構成...
仕事

第17話 独立の醍醐味(2007年12月) 6KB

独立して二ヶ月が過ぎた。おかげ様で想定よりも順調な滑り出しを見せてはいるが、それは売上のみの話である。入金される金額がサラリーマンより多いため、(うむうむ…、俺もなかなかやるではないか)何も考えずニヤリ笑っていたものだが、指定の日に「支払い...